もーそーわんしーんまとめ④6/16-6/25 - 6/10

6/21
ぴりぴり、くしゃ。パスタの入った丸い容器を覆うビニールを取り去る音。蓋を開けて、ぺらぺらのプラスチックフォークで麺とソースを混ぜているようだ。音がなげやりだから、さして食べたいメニューではなかったらしい。
今日も残業ですっからかんの弟のお腹を満たすそれを乗せた天板の下、俺は洗われたばかりの足の指をゆるく揉んでいた。長時間、革靴の中でぎゅうぎゅうに固定されていた10本の指の間には靴下の黒い糸くずがいくらか詰まってしまっていたが、さっき風呂場で丁寧に全部流して、泡立てた石鹸で爪の中まで洗ってやった。
ずる、ずるるるっ。足元に俺が体を無理やり縮めて座っていることも、足の指を触られていることも、一切気にせず、弟が夕飯を食べ始める。バターの匂いがふわりと届いて、もう満腹だったはずのお腹を刺激する。でもほしいのはこっちじゃない。
疲れをやわらげるため、という名目で一本ずつ丁寧に押して解していた右足の親指をぱくんと咥えた。大きな爪を舌の裏側で舐める。石鹸の香りも好きだけど、ほんとは脱いだばかりの、いい匂いとは到底言えない指をしゃぶるのが好きだ。でも嫌がってさせてくれないから、弟が帰宅したらいつも俺は真っ先に風呂に連れていって足を洗うのだ。爪も指の間も踵もブラシでつるつるぴかぴかにできたら、触るのを許してもらえた。
弟のものを口でするときみたいに根元まで含んで唾液をこすりつけ、指の股にも舌を伸ばしてくすぐる。喉の奥がこっちにもくれと訴えているけど、長さは全然足りない。
頭上では食べる音が乱れず続いていた。机の下で自分だけ悪いことをしている気分になって息が乱れる。口から零れて垂れた分は、隣の人差し指に塗った。
そのうち下半身が切なくなって、自分で尻の中を撫でた。この、びしゃびしゃの親指でいいから孔に入れて欲しい。じゅるじゅると音を立てて啜っていると、いつの間にか上の音は聞こえなくなっていた。
「食べた?俺も食べていい?」
テーブルの横からちらりと顔をだしたら、目の下の濃い隈が見えた。すぐにでもスラックスの前を開けてしまいたいけど、勝手に触ると怒られる。
「疲れたから無理。その指貸してあげるから自分でして。」
5分だけ待ってあげると言って弟は背もたれに体重を預けた。最近は跨がらせてもくれない。相当忙しいんだろう。疲れてるのにごめんな。
せめて弟も兆していたらたっぷり舐めてあげようと思ったのに、そこに手を伸ばしたらはたかれた。
「触るなって言ってるよね。勃ってないから放っといて。」
底冷えしそうな声で言われて涙が滲む。
かわりに親指を反り返るくらい立ててくれたから、後ろはなるべく奥まで届くよう自分の腕を伸ばして触りながら、大きな口でむしゃぶりついた。

2件のコメント

ジャクソン

一気読みしました!胸焼けなんてとんでもない、一気読みならではの多幸感半端ないです!やっぱ18→23の流れが好きだな…最後25が右オトートで完璧なフィニッシュでした!1番最初から通して御本で読めるの、楽しみにしています!

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うよ

わーー一気読みありがとうございます!!
私も18→23のやつ結構気に入ってます。ちょっと続き書きたい…!
まさかの右でのフィニッシュになるとは自分でも予想外でしたが、そう言っていただけると嬉しいです(*^^*)

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