もーそーわんしーんまとめ④6/16-6/25 - 3/10

6/18
目が覚めたら腕の中に弟がいた。なんで一緒に寝ているのだろう。子どもじゃあるまいし。
昨日はサークルの飲み会に行ってめずらしく酔っぱらった気がする。重いと言われながら肩を借りて、誰かに送ってもらったような。
その先を思い出そうとして、ごそりと動かした下半身に違和感があった。太ももの内側で肌と肌が擦れ合う感触がする。履いていない。
あわてて布団をめくると、お互いスウェットどころか下着もつけていなかった。
一気に目が覚める。
「兄さん…?」
胸のあたりにあった頭が動いてうっすら目が開く。寝ぼけた様子の手が剥き出しの尻を撫でた。
「ひっ…!」
驚いて足がぴんと伸びる。そういえば、春から同じ大学に入った弟がうちで同居するようになってから、おかしなことを言っていた。
そのうち俺のものになってとか、抱いていいかとか、たちの悪い冗談だと思っていつも笑い飛ばしていたあれは本気だったのか。
じゃあもしかして俺は。
「起きたの?」
ぱちりと開いた目が見上げてくる。直視できなくて目を逸らした。顔が青ざめていると思う。できるだけ普段通りに見えるように明るい声を出す。
「昨日の記憶がなくて…わり、俺、何かしたっけ?」
沈黙。
弟が止まってしまった。これは間違いを踏んでしまったパターンか。
一瞬見開かれた目は、すぐに緩んだ。
「腰つらくない?」
言われて手を腰に当ててみる。痛くはない。つらくも、ない。
「ない…。」
「そう、よかったね。」
待ってくれ、何がよかったというのか。
弟は混乱する俺を見透かしたように笑った。
「今度はもう少し時間に余裕のあるときにしようね。」
「な、なにを…。」
「言われたいの?」
尻に当たっていただけの手が意図を持って動き始める。肉のやわらかいところを手のひらで円を描くようにして撫でられるとぞわりとして落ち着かない。
「言わなくて…いい。」
変な汗が出る。早くここから抜け出さなくては。明るく勢いよく大きな声で、腹が減ったとでも言いながら起き上がればいけるはずだ。動け、俺。
「今からしてもいいけど。」
ぐ、と尻に指が食い込む。思わず息を飲んだら、かぱと口を開けた弟がTシャツの上から胸に噛みついた。
「いっ…!」
なんで俺の乳首の位置を正確に知っている。
歯で挟まれて左右に擦られ、吸い上げられるとそこはジンと痺れた。Tシャツに唾液がしみる。そんなところが気持ちいいなんて知らない。
じゅう、と音を立てて吸い上げられるとぷくりと膨れてそこが上を向いたのがわかった。顔を離した弟がまた、笑った。
「もうすぐバイトでしょ。」
言われて壁の時計に目を走らせる。まずい、起きなければ。急速に冷えてきた頭とまだ熱を持った胸とでバランスが取れずにいると、このままサボるなら付き合うよ、とまた顔を寄せられそうになって慌てて体に力を入れた。
夜の間になにがあったのかはわからないけど、今はただ、逃げなければ。

2件のコメント

ジャクソン

一気読みしました!胸焼けなんてとんでもない、一気読みならではの多幸感半端ないです!やっぱ18→23の流れが好きだな…最後25が右オトートで完璧なフィニッシュでした!1番最初から通して御本で読めるの、楽しみにしています!

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うよ

わーー一気読みありがとうございます!!
私も18→23のやつ結構気に入ってます。ちょっと続き書きたい…!
まさかの右でのフィニッシュになるとは自分でも予想外でしたが、そう言っていただけると嬉しいです(*^^*)

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