6/15
もうイけない。頭ではそう思うのに、いちばん奥をこんこんと突かれるとまた高められ、下腹部がさらに熱くなる。
「も、出なっ…」
半分泣きながらこぼせば、犬のように首に巻かれた輪っかを後ろから引っ張られた。じゃらりと鎖が音を立てる。絶妙なやわらかさの素材でできたそれが容赦なく喉仏に食い込む。ぐ、と息が詰まって苦しい。
「出さなくていいから。イけるよね。」
弟のものをいっぱいに咥えて皺が伸びている入り口を指でなぞられて、ぎゅうとそこから奥まで締まっていく。入っているものの形がはっきりとわかって生々しい。
ずる、と勢いをつけて引き抜かれると全身が脈打って、気持ちいい波があがってくる。なのに絞められている首でせき止められて、また下へ戻っていって渦を巻く。擦られた内壁が抜け出すものを逃がすまいとねじれるように動いて、尾てい骨が跳ねあがりそうになって、臍の下がびくびくと痙攣した。
「そうそう、兄さん上手。」
後ろから手をまわして、何度もひきつる下腹部を触りながら弟がまた入ってくる。絶頂感を奥に向かって押し込まれるようになって、腰から下の制御がきかない。凶器のようにも思える怒張が腹をいっぱいまで広げてまた出ていく。イってるから止まってと言いたいのに、圧迫されて声も出ない。
がくんがくんと膝が震えてとうとう崩れた。その拍子に完全に抜けてしまって、それが刺激になって再度達したような感覚に襲われる。
引っ張られていた鎖が離され、急に喉が開いた。
「がはっっ!う、は、はぁっ、げっ、う」
入ってこようとする空気と出ていこうとする空気がぶつかって息がうまくできない。涙と鼻水と涎が噴き出して顔中ぐちゃぐちゃだ。
「兄さん。」
珍しく機嫌のよさそうな声の方へ目線をやる。自分の後ろ首から弟の首輪までつながっている鎖が見えた。一緒につけようって甘えたように言われてノってみたけど、揃いのもので捕らわれているというだけで脈が上がってしまってどうしようもない。
息が整わないままの口を塞がれて粘膜を舐めまわされる。必死で応えるように舌を絡めていると、まだほしがってきゅうきゅうと収縮を繰り返す後孔に指が入ってきた。
「腰上げて。俺まだだから。」
「も、むり…んむ、やすみたっ…」
つい言ってしまって後悔した。ゆるく抜き差ししていた指が前立腺を擦る。だいたい弟がこっちのお願いを聞いてくれることなんかない。それどころか、かえって酷くなるだけなのに。
「自分だけイったらもうおしまいなの?」
「あっん、ちが、やめ、まだイ、ったばっか…ぁあ、ん」
ぐりぐりと捏ねられるとそこに火がついたようになってしまう。力のなくなった陰茎からダラリと体液がこぼれる。
「俺もイかせてくれる?」
「あげっ、る…あげるから…っひ、ぁ」
だから一度休ませて、と続けるはずだった言葉は途切れた。シーツと腹の間に手を入れられて引き上げられる。ベッドが汚れるから顔も上げて、とまた鎖を引かれた。
頸動脈が圧迫されて体が硬直する。脳が危険を知らせてくる。
力が入って閉じてしまった蕾を、弟が遠慮なく硬い陰茎の頭でこじ開けた。息を吐こうとしてできなくて力が抜けない。太いところが入り口を破ってしまいそうだ。
ばちん!と急に臀部をたたかれた。びっくりして一瞬体が呆ける。弟が一気に奥まで腰を進めた。
「っぐーーーー」
ばちばちと視界に火花が散った。内蔵が全部押される。腸壁は悦んでうねりながら弟のものを吸い上げる。はずみでまた自分のものから透明な液体が垂れた。
一呼吸も置かず弟が動く。頂上まで無理やり押し上げられて降りることができない。絶えずびくびくと筋肉がひきつる感覚だけが残って、ほかはわからない。奥まで突かれるたびに下腹がへこむ。頭の中までかき回される感じがしてもう嫌だと首を振ると、さらに強く首輪を引かれた。
一瞬意識が暗くなってギリギリで戻る。頭のすぐ後ろに弟の顔があって、出すよ、と耳に囁かれた。首輪を離され、顔がべしゃりとシーツに沈む。また多量の酸素に襲われて咳き込むのも構わず、弟が限界まで膨れたものを突き立てた。
「っぐ、あ゛っ、ひ、かはっ、ふ、んんんん゛ーー」
腹の奥に熱いものがぶちまけられる。上も下も痙攣が止まらない。開きっぱなしの口からも鈴口からもだらだらと汁がこぼれた。壊れてしまったんじゃないかと思うほど体がいうことを聞かない。
全部出しきったものが抜かれると、弟の形にぱかりと開いた孔からごぽりと白濁がこぼれた。
長い余韻から逃げられる気がしない。全身震えたままの俺を見下ろして、弟は笑いながら、こぼれたものを指ですくって孔に戻した。
「ほんと、淫乱。」
コメントを残す