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不良も家に帰り始める深夜のコンビニ。レジから見えない駐車場の車止めに並んで座る。
さっき買ってもらった煙草を開けると、横から弟が手を伸ばして1本取った。
100円の安いライターは親指の皮がめくれそうなほどレバーが固くてなかなか火が付かない。
がちりと押し込んだら大きめに火が上がって、2人で同時に煙草の先をつけた。
俺は右耳、弟は左目の上。それぞれ腫れて赤くなっている。吹く風が冷たくて傷にしみた。
火のついたのを思い切って吸い込むと白い煙が喉奥から肺を通って鼻に抜けて、ふうっと意識がまわった。
「お、わ…。」
ぐらりとして横の弟の方に頭をあずけてしまう。
「くらくらするね。」
弟もなんとなく頭が傾いている。
センパイから煙草は口先で吸うな肺に入れろって、そんなことだけ聞きかじっていたから喉は無事だ。
実物を吸ったのは初めてだった。昔はおつかいとかなんとか理由をつけて買うことができたらしいけど、今は厳しくなってしまって中学生では買えない。
駐車場でヤニ臭いオッサンをつかまえてねだった。金は持ってなかったから、端の方の暗いところに連れてって2人でちんこを舐めてあげた。弟の顔を汚すのは嫌だったからくさいザーメンは俺が飲んだ。
気をよくしたオッサンはカートンで買って寄越してくれた。
2人で頭を寄せ合って苦い煙をかわりばんこにかけ合う。
どうせ行けるところがないから、このままかたまりになって夜明けの冷気で凍ってしまってもよかった。
だけどひっつけたおでこは暖かくて、血管を血が通っていく音がお互いに伝わって、まだしばらくは凍りそうになかった。
どれも最高ですね
ありがとうございます!!全部読んでいただけて嬉しいです!!(うよ)