もーそーわんしーんまとめ②5/26-6/5 - 6/12

5/30
「なーラーメン作って。」
テーブルの上にだらしなく顎を置いた兄が目線も寄越さず言い捨てた。
「自分で作れば。」
こちらも読みかけの本から顔を上げずに返す。
ち、と汚く舌打ちをして兄が今度は視線を向けてくる。
「腹が減ったんだよ。」
「俺も。」
外を車が走り抜ける音が網戸越しに聞こえてくる。
「お前の作ったラーメンが食べたいなー。」
こういう時の兄はどこまでも幼稚でたちが悪い。
「俺も兄さんの作ったラーメンが食べたい。」
じわじわと汗が首元にわいては背中を流れていくような真昼間に、お湯をわかそうとすら思えない。
再び汚い舌打ちをした兄はテーブルにぐりぐりと額をこすりつけてしばらく何か考えていたが、急に顔を上げたと思うとおかしなことを言いだした。
「じゃー先にイった方がラーメン作ろうぜ。」
「は?」
がばりと起き上がってこちらへやってきて、何の遠慮もせずに座って伸ばしていた俺の足にどすんと乗った。暑さで頭がおかしくなってしまったのかもしれない。
「なー?」
さっきまでと全く違って楽しそうな顔になった兄が、勝手に下着の中から陰茎を取り出してきたから読んでいた文庫本で一発はたいた。
「やめて。」
「えーいいじゃん。すぐイかせてやるからさ。」
頭悪そうに笑って、まだ何をするつもりもない力の抜けたそれを、兄はぱくりと咥えた。
ラーメンを作らせるためだけのその絵に苛々して、本は横に置いた。自分の指を口に入れてたっぷり唾液をまとわせ、兄の耳に入れる。
「んっ…!」
反対側もおんなじようにしてやると、首の力がかくんと抜けたのがわかった。そのままぐりぐりと、他の音を遮断するように耳の中を両側からなぞる。
「ふんん…ぁ、みみ、」
時々穴から抜いて、耳たぶをはさんでひっぱる。上側のくるりと内側を向いた淵の部分をカーブに沿ってすりすりと撫でるとおもしろいぐらいに背中が跳ねた。
下半身に顔を埋めたままの髪をつかんで顔を上げさせると、情けない顔で口の周りをべとべとにしていた。
「先にイかせられるとか本気で思ってるの?」
意地の悪い顔で笑って、反対の指をまた耳につっこんでやると泣きそうに目じりが歪んだ。
「ほらさっさとイきなよ。」
そんでラーメン作って。
暑さで頭がおかしくなっているのは、俺も同じかもしれない。

2件のコメント

uyo3kyokusetsu

ありがとうございます!!全部読んでいただけて嬉しいです!!(うよ)

返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です