もーそーわんしーんまとめ①5/16-5/25 - 1/11

目を伏せた兄さんがそっと俺の手をつかんで引きた。
形のいい唇が薄く開くと白いエナメル質が見える。自分の手なのにそこだけ切り取られたフレームのようで、兄さんの近くにあるものはみんな綺麗なものに見えるから不思議だった。
形のそろった上下の歯が俺の袖を挟む。
下げられたところから覗いた手首の皮膚に、うやうやしく吸い付かれる。
ぶるりと背筋が震えた。

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