7/16
風呂では結局散々乳首をいじりたおされただけで俺は息も絶え絶えになった。
手伝うと言ったとおり髪も体も弟が洗ってくれて、でも合間でいちいち腫れた胸の飾りをつままれたり、シャワーを乳頭に思い切りかけられたりして、都度高められるのに肝心なところはまったく触ってもらえず、のぼせてしまいそうで。
ギプスを濡らすといけないからと、中途半端に高まったところで切り上げられて、どうにかしてほしいのに、動かしてはいけない足がもどかしい。
今度は弟の肩を借りてベッドまで連れて行かれて、転がされたあとはもうまな板の上の鯉も同然だった。濡れた手をタオルで拭きながら、また眼鏡を直した弟が欠伸をこぼす。
眠そうに一度細くなった目はそれでもしっかり熱をたたえていて、ごくりと喉が鳴る。
「足折れててもしていいの?」
「動かさなかったら大丈夫。」
ギプスが邪魔で服を身に着けていなかったから、折れてない方の足をかつがれると秘部が丸見えだった。ずっと触ってもらえなかったそこは胸からの刺激で完全にその気にされてひくひくと動いているのが自分でもわかる。いつもより少し性急な動きで指を入れられ中を擦られても痛みも苦しさも微塵もなくて、ただ早く早くと次を要求する体の動きを全部その眼鏡の中に収められている。
あっという間にやわらかくされて、弟のものを引っ付けられた。
「すごいね、こんなにひくついてるの?いつも?」
ゆるんだ口が陰茎の頭をぱくぱくと食むのを眺めて、少し離しては引っ付け、口がまた吸い付く様子を弟は観察した。
「そんなに、見ん…なっ…!
「だっておもしろいよ。兄さんにも見せてあげたい。俺のをずっと味見してる。」
顔から火が出そうだった。やはり弟はかなり疲れている。こんなにつるつるとエッチなビデオみたいなセリフを垂れ流すことなんか、いつもはしない。
「…も、眼鏡はずせよ…!」
「はずしていいの?」
「いいから…ぁあっ」
言い終わる直前に頭をずぶと入れられ、浅いところでぐりとまわされる。真剣なまなざしがずっとそこに注がれている。まだ待たされている奥が疼くのと、見られて緊張するのとで内壁が引きつった。
いたたまれなくなって、両腕を弟の首にまわして体重を思い切りかけて引く。倒れこんできた顔から眼鏡を奪い取り、そのままもっと引き寄せる。小さくぺろっと出した舌で弟の白目に舌を這わせた。力を入れたらつぶれてしまいそうな危うい柔らかさの丸みに唾液を塗る。まつ毛のとげとげをうっすらなぞって、目頭の涙がうまれるところを尖らせた舌で突っついた。
「ちょっと、痛いよ。」
不満そうに言う弟にいきなり奥まで入られて足先までぴんと伸びてしまいそうになり、あわてて折れた方の足の力を抜く。
「だって宇髄せんせーがやらしい目で見るから。」
冗談ぽく言ってやると、弟の顔がすっと変わった。体を起こして落とした眼鏡を拾い、もう一度かけながら、奥まで入ったものをずん、と突き上げてくる。
「兄さん、そういうことがしたかったの。ほら、宇髄さんどこがいいか教えてくださいね。」
なんでそうなる。別にそういうつもりじゃない。
でもそんなことは言い訳だと言わんばかりに、中を何度も埋められ、かけ直した眼鏡がその動きに合わせて揺れる。
いいところはどこかと、しつこく何度も言わされて、めいっぱい広がった入口を何度も確かめられ、様子を説明される。
恥ずかしさを追加されてしまって、やめてほしいのに、変な風に気分がノってしまった弟は許してくれない。ここは、ここはどう、と一つ一つ聞かれてその度に間抜けな声で答える。俺の体の感じるところなんかとっくに全部把握しているくせに。こちらは折れた足に力を入れないようにすることにも必死で、意識がばらばらになりそうだ。
「宇髄さん、いいとこ触りますね。」
「ひ、っあぁぁん」
「はい、力抜いて。」
なんでそんなにノってるのかわからない。ちょっと働きすぎなんじゃないのか。
ほとんど泣いてしまいながら、疲労の色が浮かぶレンズと汗で濡れ始めたフレームを眺めていたら、こんなに激務続きでおかしくなっているのが気の毒になってきて、いらないことを口にしてしまった。
「せんせ、そこ、いいっ……!」
弟はとても楽しそうに笑って、俺のことを変態、と呼びながらめちゃくちゃに腰を揺らした。
だんだん足のことを気遣う余裕がなくなって、受傷したところが痛んだような気がしたけど、もう気にしていられなくて、心の中だけで悪態をついた。
変態なのは、どっちだよ。
コメントを残す